販促物をデザインするときの基本ステップ
まずは目的と目標値を考える
販促物をつくるときは、まず販促の目的を確認しましょう。
「商品を紹介するのか?」
「お店の新規オープンのお知らせなのか?」
「イベントの告知なのか?」
上記のように目的を明確にしておきましょう。
販促物には情報をすべて盛り込むのではなく、目的に合う内容にしぼる方が効果的です。
そして、数値化できる目標を決めておきましょう。
たとえば、お店に来てほしいのであれば「来客数」が目標数値になります。
販促の目標設定方法については、以下の記事でも解説しています。
▶販促の目標設定方法
全体を俯瞰して制作する
数値目標が立てられたら、制作に入ります。
販促物をデザインするときは、以下のステップを踏んで作っていきましょう。
まずどんなお客さんを想定していて、お客さんにどんな行動をとってほしいのか考えてください。
そして、販促物に掲載する要素をリストアップします。
掲載する要素は、以下のようなものがあります。
- キャッチコピー
- メインの画像
- 説明文
- お問い合わせ先の情報
- 地図
- 日時 etc…
リストアップできたら、要素に優先順位をつけて構成を考えていきましょう。
構成を考えるときは、レイアウトのラフを描いて全体のバランスをみます。
キャッチコピーや本文の原稿なども一緒につくっておいてください。
そして、最後にデザインをします。
デザインのフェーズでは、レイアウトや文字組み、書体、配色などを調整していきます。
デザインは、構成や原稿まで準備してはじめてできるものです。
いきなりデザインからスタートしてしまうと、伝えたいことがぶれてしまったり、必要な要素が漏れてしまうことがあります。
これでは、効果的な販促物をつくれません。
販促物をつくるときは、必要なステップを飛ばさないように、全体の流れを踏まえておくようにしましょう。
販促物をデザインするときのコツ~デザインするときに気を付けたい9つのポイント~
販促物をデザインするときのポイントをまとめました。
どれもデザインの基本なので、押さえておいてください。
手に取りやすいサイズ・仕様を選ぶ
販促物は、お客さんに行動してもらえるまで保管してもらう必要があります。
そのためには、販促物のサイズや材質などの仕様をよく考えましょう。
典型的な販促物の一つに「ショップカード」があります。通行人に配るチラシや店頭に置くショップカードはカバンやポケットにも入るため、おすすめです。
このようなポイントカードやショップカードは財布にも入るカードサイズで作成するのがポイントです。
サイズだけでなく、重さ・厚さ、持ち運びのしやすさ、保管のしやすさなども気にしておきましょう。
ショップカードやポイントカードは、財布に入るカードサイズがオススメです。
▶その他店頭販促物について
内容が一目でわかるように画像・コピーを工夫する
販促物は見た瞬間に「何のお知らせ」なのか伝わる必要があります。
差し出されたものが何かわからなければ、受け取ってもらうのが難しいからです。
瞬時に伝えるには、メイン画像が重要です。
パッとみてナンとカレーが見えたらインドカレー屋さん、間取りやマンションの外観が載っていたら不動産のチラシとわかってもらえるでしょう。
また、見出しのキャッチコピーも大事です。
「ナンおかわりし放題990円」
「○○駅 徒歩3分の新築マンション」
といった文章が目立つように書いてあれば、どんな販促物かわかって安心して受け取ってもらえるでしょう。
次のアクションにつながる仕掛けを取り入れる
販促物は、販売を促進するものでなければなりません。
手にした人が「今度お店に行ってみよう」「電話で問い合わせしてみよう」「ウェブサイトをみてみよう」と思ったときに、すぐ行動ができるよう仕掛けをしておきましょう。
次のアクションに移ってもらうためには、お店の住所や地図、電話番号、メールアドレス、ウェブサイトのURLなどの連絡先が必須です。
また、相手に「すぐにいってみたい」「すぐ問い合わせしたい」と思ってもらえるきっかけも必要です。
割引券や先着プレゼント情報など、お客さんにとってメリットのあるものを企画して、来店や商品購入の促進につなげましょう。
目線の動きを意識してレイアウトを考える
情報は見てほしい順に、Zの字の順で掲載するとよいでしょう。
人の目の動きは、文字列を左から右へ、上から下へと読み進めていくようになっています。
なので一番大事なことを左上に置き、終わりが右下になるようにレイアウトを組むことで、読みやすい販促物にできます。
Z字のレイアウトを使わない場合であっても、いちばん見てほしいところはきちんと強調しておきましょう。
大事なことは、レイアウトを組む前にすべての要素をリストアップすることです。
どこにどんな要素を置くのか、目線の動きを意識してラフをつくるようにしてください。
情報をグルーピングする
販促物に掲載したい要素は、情報をグループ化しましょう。
要素をただ羅列するよりも、情報がすっきりと認識しやすくなります。
たとえば上記のように「お店の説明に関するもの」「商品に関するもの」「連絡先に関するもの」といったグルーピングができます。
グルーピングの方法は、枠で囲んだり色を付ける方法がありますが、余白を入れるだけでも十分認識できます。
余白をつくる
販促物のスペースいっぱいに情報をかきこんでしまうと、重要な情報が見つけにくくストレスを与えてしまう恐れがあります。
誰がみても「重要なことはこれだ」とわかるようにしておきましょう。
そのためには、余白を十分に取ります。
余白の取り方は以下のポイントを気にしてみてください。
-
要素ごとに余白を取れているか?
適度な余白があることで、情報が直感できるようになります。 -
適切な文字間・行間を取っているか?
文字の読みやすさに直結します。
改行位置なども気を付けましょう。 -
背景は白にしているか?
背景は色付きでもよいですが、色があることで文字や画像などの要素を邪魔してしまう可能性がでます。
基本的には白背景にしておきましょう。
文字や画像などのオブジェクトを整列させる
文章や画像がそろっているだけで、販促物がきちんとした印象になります。
そろえ方は、以下の方法でできます。
- オブジェクト自体の大きさをそろえる
- 左右の位置、上下の位置をそろえる
あえて不揃いにするというテクニックもありますが、まずは基本をしっかり押さえてデザインするようにしましょう。
テーマカラーは3色までにする
販促物の印象を左右するものに、「色使い」があります。
色は強調したい部分に使えば効果的です。
しかし、たくさん使うとごちゃごちゃした印象になってしまいます。
そうならないように、テーマカラーを3色以内で決めましょう。
(ビジネスカラーが決まっていれば、販促物も同じカラーを使うようにしてください。)
使う色を限定することで、すっきりと洗練されたイメージにできます。
限られた色の中で濃淡をつけるなどの工夫をして、なるべく少ない色で表現できるようにしてみましょう。
また販促物の紙色は、基本的に余白を取りやすい「白」を選ぶようにしましょう。
文字の色は黒にするのが一般的です。
文字サイズや書体は3種類以内にする
文字の種類は3種類以内にしましょう。
文字の書体やサイズを変えるのは、何か強調させたい部分があるときです。
ひとつの販促物の中で強弱をつけるのであれば、大・中・小の3段階ぐらいの変化がわかれば十分です。
それ以上の変化があると、強調している部分がどこなのかわからなくなってしまいます。
文字の強弱の付け方は、まず基本となる本文の文字サイズと書体を決めましょう。
次に見出しを考えます。
見出しはゴシック体を中心とした線の太い書体にし、大きめのサイズにすることで変化をだせます。
また、見出しの中でも大見出し・中見出しと大きさに強弱をつけることができます。
図のように、誰の目にも大・中・小の段階が区別できる方法で作成しましょう。
販促物をつくるときの流れや、販促物デザインの基本的なことをご紹介しました。
プロのデザイナーさんにとっては基本中の基本ですが、普通の人はなかなかできていないことです。
効果的な販促物にするためにも、ぜひポイントを押さえておいてください。