販促をはじめるときに、「Webページを作る!」「DMを作る!」といきなり手段に走るのではなく、5W2Hの流れを意識して戦略を立てるようにしましょう。
具体的な狙いがないまま手段に走ってしまうと、成果が出にくいからです。
以下の5W2Hの内容を考えておくことで、販促の取り組み内容が整理され、目的も把握しやすくなります。
販促効果を上げるには?販促戦略を立てるときに押さえておくべき5W2Hの流れ
【STEP.1】WHY:なぜやるのか?目的・目標を決める
まずは、なぜ販促をするのか目的を明確にしておきましょう。 販促の目的は、商品への興味や購入意欲を高めて販売を促すことです。 この目的を果たすために、どんなことができるのか考えていきます。
商品が売れるための取り組み内容を書き出せたら、なるべく具体的な数値目標を設定しましょう。
取り組みの良し悪しは数値でしか判断できないので、必ず数値を使った目標にしてください。
▶販促の効果を測定する方法
目標設定の仕方について詳しい内容は以下でも解説しています。
▶販促の目標設定方法
【STEP.2】WHEN:いつ販促するのか?どのフェーズで販促するか決める
販促の目的・目標設定ができたら、いつ実施するのか考えます。
販促を実施するタイミングは、大きくわけて5つのフェーズがあります。
【STEP.1】で考えた取り組み内容は、5つのフェーズのうちどのタイミングで実施するのが効果的なのかを考えていきましょう。
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認知
見込み客が社名や商品(サービス)などを知る段階
TIPSCM・広告などが有効 -
興味・関心
商品を知った見込み客が、商品に対して興味・関心を持ち、「欲しい」と思いはじめる段階
TIPS見込み客の課題の提示・メリット訴求などが有効 -
比較・検討
見込み客が商品を欲しいと思ったあとに、商品の値段やスペックなどの詳しい情報を調べ、同じような商品を取り扱っている他社商品と比較する段階
TIPS商品の具体的な説明・疑問解消・費用対効果の説明などが有効 -
購入決定
比較・検討を行った結果、購入を決定する段階
TIPS購入後のシミュレーション・期間限定の訴求などが有効 -
継続(購入後)
購入したあとの段階
TIPS購入後のお礼・定期的な情報発信・クーポン配布などが有効
【STEP.3】WHO:誰に伝えるのか?ターゲットを決める
次は、誰に対して販促するのか考えます。
商品を買ってくれるのはどんな人なのか?どんなことが満たされれば喜んでもらえるのか?具体的なターゲット像を思い浮かべましょう。
ターゲットは、個人のお客さんと企業のお客さんにわかれます。
ターゲット像を考えるときは、それぞれ以下のような項目を想定しましょう。
個人のお客さん
- 性別は?
- 年齢は?
- 興味関心は? etc…
- 業種は?
- 職種は?
- 役職は?(決裁者かどうか)etc…
ターゲットを明確にしたらどんなアプローチをすればよいか一緒に考えておくといいです。
ターゲットに伝えるメッセージについては、次のステップで考えていきます。
【STEP.4】WHAT:何を伝えるのか?伝える内容を決める
【STEP.3】でターゲット像が具体的になったので、どんなことを伝えるのか考えましょう。
商品を買うことで、お客さんが得られるメリットを、お客さんが納得してもらいやすい形で伝えます。
このとき、売る側の立場で考えないことが重要です。
売る側のこだわりと、お客さんが求めていることはかけ離れていることがあります。
お客さんの立場に立って、どんなことが書かれていたら興味が高まるのかを考えましょう。
個人のお客さん
部屋のインテリアに興味がある30代の女性がターゲットだとした場合、伝えられるメリットの例には以下のような表現があります。
「岩石のアロマディフューザーで癒しの空間を作れます」
「ホテルのような高級感のある香りが7週間持続」
「夏季限定でレモングラスの香りを販売」
法人のお客さん
法人のお客さんは、利益を増やせる商品やサービスを望んでいます。
利益を増やす方法には、売上アップか経費削減です。
自社の商品が以下のどの部分で役に立つのかを伝えるようにしましょう。
「このアイテムを使えば事務作業の時短になります!」
「工場ラインにこの商品を設置するとコストが○○%削減できます」
といった表現でメリットが伝えられます。
【STEP.5】HOW MUCH:いくらかけるのか?予算を決める
「商品は売れたのに、販促費がかかりすぎていて赤字だった」ということを避けるために適切な予算決めをしていきましょう。
予算の決め方は、「売上」から決める方法と、「LTV」から決める方法があります。
予算は、売上から販促費の割合を決めるという方法があります。
一般的に、販促費の予算は売上の3~10%程度といわれています。
業界によって販促費の割合がかわってくるので、自社の業種の一般的な販促費の割合を調べてみて予算設定してみるとよいでしょう。
▶参考:2020年日本の広告費|業種別広告費-ナレッジ&データ-電通
ただし新商品や新規事業をはじめたばかりというときは、売上すら立っていないことが多いものです。
はじめたばかりのときは、少なくとも10%を超える販促費が必要です。
LTV(Life Time Value:ライフタイムバリュー)とは、お客さんひとりあたりから今後トータルいくらの利益が得られるかという考え方です。
たとえば粗利が1万円の商品があったとして、6人が1回・3人が2回・1人が3回買ってくれたとします。
すると、LTVは1.5万円となります。
▶LTV(Life Time Value)の算出方法の詳細
LTVが考えられたら、お客さんひとり獲得するのにいくらの費用がかかるのかを考えましょう。
この費用を顧客獲得単価といいます。
適正な顧客獲得単価は、LTVで出した利益に対して20~50%程度と言われています。
例の場合、LTVが1.5万円なので顧客獲得単価は3,000~7,500円程度です。
1.5万円×20%=3,000円
1.5万円×50%=7,500円
利益に対して50%の費用は掛けすぎかと思うかもしれませんが、はじめのうちは50%ほどかかります。
売る額が大きい商品やサービスの場合、顧客獲得単価は数十万円するケースもあります。
はじめのうちは、予算組みを考えるのはとても難しいかと思います。
販促の実施と結果の振り返りを経験しながら、各施策に対してどのぐらいの費用をかけるのが適切なのか感覚をつかんでいってください。
▶販促の費用対効果の測り方
【STEP.6】WHERE:どこで販促するのか?場所を決める
次は、ターゲットになるお客さんがいそうな場所を洗い出してみます。
場所は、公共の場所やお客さんの周辺、あなた(売る側)の周辺で考えてみましょう。
公共の場所
- 駅
- 展示会イベント
- 電車・バスの中
- 道路 etc…
- 自宅
- お客さんの勤め先 etc…
- 自分の会社
- 自分のお店 etc…
そして、その場所ごとに直接的・間接的にできる販促方法を一緒に考えてみます。
以下のような表を用いてまとめてみましょう。
お客さんがいそうな場面とそれぞれの販促方法を考えられたら、【STEP.5】で出した予算の範囲で収まるかも見ておいてください。
費用対効果が高そうな場所を決定しましょう。
【STEP.7】HOW:どうやって実施するのか?手段を決める
最後に、【STEP.1】~【STEP.6】で決めてきたことをどんな手段で表現するのか決めます。
Why:なぜやるのか?
When:いつ販促するのか?
Who:誰に伝えるのか?
What:何を伝えるのか?
How Much:いくらかけるのか?
Where:どこで販促するのか?
上記の条件が明確になってはじめてブレのない手段・表現を決められるのです。
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どんな販促物を作るか?
Webページ・広告・チラシ・ポケットティッシュ・看板・ニュースレター・DMなど、さまざまな販促物があります。どの表現方法が適切なのかを決めましょう。
参考にする条件:「When:いつ」「Where:どこで」「Who:誰に」「How Much:いくらかける」 -
どんなことを書くのか?どんな見た目にするのか?
販促物にどんなことを書いておくのか考えましょう。
キャッチコピーやビジュアルなども決めていきます。
参考にする条件:「When:いつ(どのフェーズ)」「Who:誰に」「What:何を伝えるのか」
販促の手法や種類については、関連記事でもご案内しています。
販促のアイデア出しの参考になれば幸いです。