そもそも粗品の意味とは?
粗品とは「粗末な品物」の意味を指します。
実際には粗末な品物ではなく、相手を立てる謙遜の意味があり、日本ならではの「気遣い」や「心遣い」の表現が含まれています。
そのため、相手に対し「気持ちばかりですが…」や「心ばかりですが…」といった一歩下がって「へりくだる」言葉で贈ることが一般的です。
また粗品は詰め合わせの品物や高価な品物ではなく、単品の品物や、かさばらない品物を贈ることが一般的でおおよそ3,000円ほどの品物の場合は粗品となるようです。
粗品の利用シーン
企業から渡す場合と、個人で渡す場合のそれぞれをご紹介します。
企業が使用する場合
企業からお渡しする粗品についてご紹介します。
粗品を企業からお渡しする場合、お客様へ直接の接点になるため有効な営業ツールとして使用されます。
以下が主だった粗品を使用する際の使用用途になるでしょう。
- 営業の挨拶回りに持参する品物
- 展示会ブースでの名刺交換で渡す品物
- イベントやセミナーなどでのアンケートで回答者へのお礼の品物
- 工事に伴う近隣の方々へ先立って行う挨拶回りの手土産
-
開店や開業、開院の際に近隣の方々へお渡しする品物
など
品物へ名入れをする
企業からお渡しする粗品は名入れを行うことが多くあります。
「名入れ」とは品物に名前を入れることを指します。
そのため、この場合は品物に企業名・病院名・店舗名や企業ロゴ・お店ロゴ、ブランド名や商品名、サービス名といった印刷または刻印して粗品としてお配りすることが多いようです。
名入れを施すことで、品物を見るたびに周知していきたい名前が受け取った方の目に入るため効果的な販促につながるでしょう。
こうしたことから粗品で選ぶ品物は日々使用し、受け取った方々にとって邪魔にならない物が人気です。
年末年始の挨拶回り
営業の方や保険外交員の方々が年末年始に行うご挨拶回りや、来店・来院時にお渡しする品物に粗品を使用されることが多くあります。
営業の方や保険外交員の方々であれば粗品を用意することで、お渡しするためにお客様先へお伺いするきっかけに使用することができ、お歳暮や年始のご挨拶としてお渡しすることが一般的のようです。
- カレンダー
- タオル
- ボールペン
- マスクケース
- エコバッグ
-
洗剤
など
これらは受け取る方々にとってかさばらず日々使用できる消耗品が選ばれる傾向です。
また、カレンダーなどは新型コロナウイルス感染症で直接お渡しできない場合でも、郵送でお送りできる品物があるため、お客様に直接お会いできなくてもお渡しできる物もあり、コストを抑えた営業ツールとして人気です。
展示会などのイベントでの配布
年末年始以外にも企業から配布する粗品は、展示会やイベントといった催しにも利用されることがあります。
その中でも展示会では限られた日数でより多くのお客様に展示内容を紹介していかなくてはいけません。そのため、ノベルティグッズや粗品を活用し数多くの出展ブースの中から集客をするために多くの企業が利用しています。
ノベルティグッズや粗品を配布する条件として名刺の交換をした方や、アンケートに回答された方へお配りするのが一般的です。
また、使用する品物は一年を通して利用できる品物だけでなく、季節に合わせて受け取りやすい品物を選んで配布されます。
展示会に使用される粗品で人気の品物は以下のようなものが挙げられます。
■通年で使用できる品物- トートバッグ
- ペットボトルの水
- うちわ
- カイロ
など
展示会の場合、広い会場でたくさんのブースから資料を受け取るため、トートバッグが通年で人気になります。そのため会社名やサービス名などを名入れした、大きなトートバッグをお渡しし、お客様が資料一式を入れられることで、企業名やサービス名をブースへお越しになられていない方々へもアピールできるため、活用されることが多い品物です。
そのほか、季節に応じてお客様が受け取りやすい品物を用意する場合があります。
夏場はお水やうちわなど暑さ対策グッズが受け取られやすく、冬場はカイロなどの寒さ対策グッズが用いられることも多くあるでしょう。
お祝いの記念品
そのほかの企業が粗品を利用する場面としてお祝い事や記念品の配布があります。
主には開店や開業、開院といった場合に来店・来院した方々へご挨拶の気持ちでお配りする粗品になり、記念品の場合は創業記念や創立記念などの周年行事の際に粗品を配ることがあります。
個人が利用する場合
粗品は企業から配られるイメージがありますが、個人で用意する方もいます。
企業ではないため名入れをすることはなく、ご近所付き合いが減っている昨今は利用される方は少なくなっていますが、ご挨拶の品物として粗品を利用されることがあります。
引っ越しのご挨拶
個人で粗品を用意する機会は多くなく、主には引っ越しの際に利用されるようです。
ご挨拶回りに粗品を持参し、「よろしくお願いします」の気持ちとともに粗品で心配りをされる際に利用されます。
知らないと恥ずかしい!粗品のマナーや注意点
熨斗(のし)紙について
熨斗紙は熨斗と水引(飾り紐)が印刷された紙を指します。一般的に熨斗と熨斗紙が混同されて認識されていますが、熨斗は右上に付いている飾りです。
熨斗は鮑(あわび)を使用した日本独自の風習になり、鮑は長寿を食べ物として古くから縁起物とされ、神社や神棚へお供えする物に薄く削った鮑を乾燥させて伸ばした物を「のしあわび」を付けていたことに由来します。
そこから時代が変わるにつれて略式化されていき、現在では体裁としてお祝いの品や記念品などに熨斗と水引が印刷された熨斗紙が使用されています。
水引について
熨斗紙に印刷されている水引(飾り紐)は「蝶結び」と「結び切り」の大きく分けて2種類があり、それぞれに意味が変わります。
■蝶結び
・蝶結びは結び直しが何度もできるため、何度あっても良い慶事に使用されます。
「開店」「開業」「新築」「入学」「長寿」「出産」などの慶事には蝶結びがマナーになります。※結婚の場合には使用しません。
・結び切りは一度きり、二度あってはならないことに使用されるため慶事だけでなく弔事にも使用されます。
慶事の場合は紅白の水引を使用し、弔事の場合は白黒の水引が使用され、弔事に限っては祝い事ではないため熨斗の付いていない熨斗紙が使われます。
結婚や快気祝いの場合は慶事であり、二度あってはならないことになるので蝶結びにはなりません。
慶事と弔事の違い
慶事の場合は水引の本数は奇数が使用されます。
そのため5本7本9本の場合は慶事の際に使用しましょう。
例外として婚礼の場合は5本を2束使用して10本で使用されることがあります。
弔事の場合は慶事とは違い、水引の本数が偶数です。
弔事での水引は2本4本6本を使用することが一般的で慶事と弔事にはこうした違いがあります。
粗品での水引
粗品の場合は慶事になるため奇数を使用しますが、一般的に5本または7本が使用されます。粗品に熨斗紙を付ける際はこうした細かなマナーにも気を遣いましょう。
高価な品物の渡し方
粗品を贈る場合は3,000円以内が一般的なようです。
そのためそれ以上の高価な品物を贈る際は、熨斗紙の表書きには「粗品」と記載するのではなく、「ご挨拶の品」や「記念品」と記載した熨斗紙を使用しましょう。
配慮・注意点
移転や引っ越しに火はタブー
移転や引っ越し、新築など、近隣へのご挨拶に粗品を贈りますが、この場合にもマナーがあります。
この場合は「火」を連想させる品物は避けましょう。また火を連想する「赤」の品物も避けることがマナーになるので、品物選びの際には注意しましょう。
粗品をいただいた時の注意点
粗品を渡す際には「つまらないものですが…」と枕詞を使いますが、受け取る側となった場合には「粗品」とは言わないよう気をつけましょう。
受け取る側が粗品と話してしまうことは、「粗末な物」の意味を指してしまうため、この場合は、「大変結構なものをありがとうございます」や「お心遣いありがとうございます」などの言葉を使うことがマナーになりますので受け取る際も注意が必要です。
粗品にオススメのアイテム
粗品選びは普段使いできる品物をお送りすることが一般的です。
そこでオススメのアイテムをご紹介いたします。
季節を問わず使えるアイテム
ボールペン
ボールペンはビジネスだけでなくご家庭でも使用するアイテムになり、かさばらず受け取っても困らないため粗品としてだけでなくノベルティグッズとしても人気のアイテムです。
また、配布する側にも数多く持てるメリットがあるためオススメです。
営業回り・年末年始のご挨拶
名入れカレンダー
名入れを施したカレンダーは、1年にわたって企業名をお客様の目の付くところに置いてもらえる可能性がある人気のアイテムです。
さまざまな業界で営業訪問のツールとして使用しやすいため、お客様に喜ばれる粗品として代表的なアイテムになります。
また、メール便対応のカレンダーは郵送できるメリットがあり、直接お渡しできない場所にいるお客様や、新型コロナウイルス感染症対策に直接の対面を望まないお客様にもお届けできるため、ご挨拶に最適なツールになります。
名入れタオル
名前を印刷したタオルもカレンダー同様に人気の粗品です。
普段使いできるアイテムである上、コストを抑えて配布できるメリットがあるオススメのアイテムです。
イベント来場者・店舗来店者への記念品
名入れバッグ
名前を施したトートバッグはイベント来場者やお店へ来店したお客様へお渡しやすいアイテムです。
お渡ししたお客様が持ち運ぶ際に、企業名やサービス名をそのほかの方々へ見せることができるため宣伝につながり展示会などの大規模施設でのイベントなどで多くの企業が使用します。
小さな店舗でもエコバッグとして使用できるバッグを配布し、普段使いをしてもらうことで近隣のお客様へ宣伝になる可能性があるためオススメです。